Bitcoinを基にして作られた暗号通貨です。ゼロ知識証明という「内容を公開することなく事実だと証明できる」技術を用いて非常に匿名性が高いものとなっています。
名称 | Zcash(ジーキャッシュ) |
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承認システム | Proof of Work(PoW) |
採掘アルゴリズム | Equihash |
承認間隔 | 約2.5 分 |
Difficulty計算 | DigiShield v3 |
マイニング報酬 | 12.5 ZEC |
プレマイン | 無し |
発掘上限 | 2100万 ZEC |
半減期 | 4年ごと |
公開日 | 2016/10/28 |
幾つか存在する匿名性の高い暗号通貨の中でも群を抜いて匿名性が高いものがこの「Zcash」です。「Zerocash」プロジェクトから引き続いて開発されているため、略称の「ZEC」はここから来ているものと思われます。
ゼロ知識証明というものを用いて匿名性を高めています。公式ページの【よくある質問】にこれがどういうものか紹介されているため引用します。
「簡単に言うとゼロ知識証明とは何ですか?Zcashではどのように使われているのでしょうか?」
「ゼロ知識証明とは暗号学における飛躍的な進歩であり、隠された情報の内容を公開することなく、それが事実であると証明することができるものです。~」
難しいですね。意訳すれば、「どんな取引をしたかは教えないけど間違いなく正しい取引をしたよ(持ってる額以上を送ったりしてないよ)」という事実だけを確かめることが出来る技術となります。
ブロックチェーンを見てもアドレスや送金額などを他人が追うことが出来ないため、非常に匿名性が高い通貨です。一方で、接続したIPアドレスの情報などは保護できないため、別に対策をとる必要があります。
プレマインはありませんが、最初の4年間はマイニング報酬の20%が開発陣や出資者に移行します。 また、予期せぬエラーなどに対応するため発行からひと月かけて緩やかにマイニング報酬を本来の額に引き上げるスローマイニングが行われました。
2017年9月現在、時価総額はおよそ15位、値段は日本円にしておよそ25000円と上位につけています。 Zcashはマイニング報酬が1/4ですが4倍の速度で承認されるため、Bitcoinと発行数が同じです。 値段も一枚当たりで比べられるので取引の際には頭の片隅に置いていただくといいかもしれません。
特筆すべきは、2017年5月の世界的な大手銀行JPモルガンと提携したニュースによって価格が急騰したことです。 JPモルガンは2017年9月にCEOのダイモン氏が「ビットコインは詐欺だ」といった趣旨の発言をしてビットコインの価格が下落するニュースにも関わっており、 プラスにもマイナスにも暗号通貨に関わっています。
JPモルガンはビットコインを詐欺だという一方で、匿名性以外ほぼ違いのないZcashとは提携しています。 顧客のお金を預かる銀行としては、Bitcoinではプライバシーが守られていないと考えているのでしょうか。
現在の時価総額上位にはZcashだけでなくDash、Moneroなど匿名性の高い通貨が複数あります。 広く投資家がブロックチェーンを理解し匿名性の問題に触れるとき、Zcashなどの匿名系の暗号通貨は輝きを増すのかもしれません。