Factom(FCT)とは

記録を不正に変更されないような形で残すことをブロックチェーンを用いて実現するために使われるものです。 土地などの所有権や、年金などの払い込みの記録に用いることで正確な情報を残すことができます。

基本情報

名称 Factom(ファクトム)
マイニング 無し
ICOトークン発行量 4,379,973 FCT
発掘上限 Milestoneごとに拡大(Milestone 3までは870万 FCT)
トークン販売終了 2015/05/15

特徴や歴史

Factomとは、契約書、資産の所在や払い込みの記録などをブロックチェーンを用いることで取り消されることのない形で残すためのプラットフォームです。 記入した内容は変更点を追記することはできますが、そのデータを消すことなどは不可能です。 この保存にはBitcoinのブロックチェーンを用いており、Factom自体はデータを管理しブロックチェーンとやりとりするソフトウェアのネットワークとなっています。

取引所などではFactom(ファクトム)と表記されていますが、公式にはこのトークンはFactoidと呼ばれています。 FactoidはFactomのネットワークの使用料として使用され、必要な額は記録するデータ量で決定されます。 繰り返しとなりますが記録するブロックチェーンとしてはBitcoinのものを用いているので注意が必要です。

この技術を用いて書き込めば、少なくとも公正に「この日時にこの記録があった」ということを証明することができます。 日本では消えた年金という問題がありましたが、それもこの技術を使えば書き込まれた内容が失われることは事実上ありません (Bitcoinのブロックチェーンが残っている限りです)。 また、書類が不正に書き換えされるということも防ぐことが可能です。

ブロックチェーン上にそのまま書き込むSteemなどとは違い正しいことを示す鍵を記録するだけなので、 暗号化された情報は他人から閲覧されることはなく、顧客情報なども扱うことができます。

正確には、Factomは以下の三つのタイプの証明があります。
・存在の証明 : ある時点でこの内容で文書が存在していたことを証明
・プロセスの証明 : 文書が存在し、更新された文書と紐づけられていることを証明
・監査の証明 : 更新された文書が一連のルールに従って変更されたことを証明

価格や時価総額

2017年9月現在、時価総額はおよそ40位、値段は日本円にしておよそ2000円とトップ争いからは少し離れた位置にいます。 手数料で消費されるため理論上は価格が上昇すると公式サイトでも言われていますが、実際に大きく見るとそのような動きをしています。

取引に使われるわけではなくネットワークの利用料として使われるため、 どこかの企業や機関の採用というニュースが価格を動かす材料となるでしょう。 実際に、ウォール街の企業が採用すると発表した際にも値動きがありました。

ちなみに、使用料はデータ量に対して基本的にはドルで固定です。 つまり、FCTの価格が上がると実質手数料として消費されるFCTが減り、FCTの価格上昇が抑えられることになります。

その他まとめ

公式ページでは「FactomによってどのようにしてBank of Americaが17億ドルの罰金を払わなくて済むか」などの動画が 一時期見られる状態でした。今は非公開なのですが、内容は「住宅ローンの記録の管理の失敗により罰金を払わされた。」とのものであり、 Factomがあれば正しい記録が確かめられたのにというものでした。 実際にこのような事例は世界中で起きているため、目を付けられさえすれば活躍の場はありそうです。

それまでは通貨の偽造や不正防止として用いられてきたブロックチェーンを偽造不可能な記録として用いるFactom。 大きな企業が利用を表明すれば更に価値は上がっていくかもしれません。


著者 ずがーん