いわゆる「The DAO」事件をきっかけに、イーサリアムから分裂し誕生したため、技術的にはイーサリアム(Ethereum)とほぼ同様です。イーサリアムよりも非中央集権型であることを信念としています。イーサリアム同様、スマートコントラクトの記述や実行ができる分散型アプリケーション構築などが可能です。ビットコインがブロックチェーン上に BTC の送金履歴を記録するだけである一方、イーサリアムプラットフォームでは、開発者がチェーン上に任意のプログラムを書き込むことができます。ブロックチェーン上に記述されるプログラムは「スマートコントラクト」と呼ばれ、それによって実現される分散アプリケーションは Dapps と呼ばれます。内部通貨classic ether(クラシック イーサー)が規定されており、クラシックイーサーはスマート・コントラクトを履行するための手数料として用いられます。根幹技術であるスマートコントラクトについてはイーサリアムのページを参照して下さい。
アイコン | |
---|---|
名称 | Ethereum Classic(イーサリアム クラシック) 内部通貨はclassic ether(クラシック イーサー)ETCと呼ばれる |
プラットフォーム名 | イーサリアム クラシック |
承認システム | PoW |
採掘アルゴリズム | Ethash |
ブロック生成間隔 | 約15秒 |
発掘上限 | 2億1千万枚への枚数制限の実施を予定 |
公開日 | 2015年7月30日(イーサリアム ハードフォーク 2016年7月20日) |
元開発者 | Gavin Wood、Jeffrey Wilcke、Vitalik Buterin等 |
いわゆる「The DAO」事件(2016年6月17日)、当時の価値にして推定65億円相当の資産がハッカーに盗まれた歴史的事件を受け、盗まれた資産の移動を無かったことにするか否かによってイーサリアムコミュニティは二つに分かれました。起こったことを無かったことにしていいのか?どうするべきか?
2016年7月20日ハードフォークの後暫くの間はイーサリアムのみが取引できましたが、イーサリアムの取引高で世界最大の規模を誇る暗号通貨専門取引所「Poloniex」がイーサリアム・クラシックを取り入れたことで、ハードフォーク以前のイーサが取引可能になり激しいイーサリアム vs.イーサリアムクラシックの戦いが繰り広げられました。その後イーサリアムが主流となって行きましたが、その理由はマイニング報酬が高く多くのマイナーを得ることができたためとも言われています。
イーサリアムから分裂したのは2016年7月20日で、2017年9月においては、イーサリアム、イーサリアムクラシックともにホームステッドという開発段階であり、技術的には大きな違いはありません。しかしながらイーサリアムがMetropolis(メトロポリス、2017後半以降予定)→Serenity(セレニティ)へと移行を予定しているのに対して、イーサリアムクラシックは明確な開発ロードマップを示していません。これは主な開発者がイーサリアム側に移ってしまったために、停滞している可能性が考えられます。またイーサリアムのようにProof of Work(PoW)からProof of Stake(PoS)への移行は予定されておらず、イーサリアムがPoSへ移行した後、多くのマイナーはイーサリアムクラシックをマイニングするのではと言われています。
イーサリアムクラシックは上場している取引所も多く市場規模も2017年9月19日時点で$1,101,755,947と仮想通貨市場10位となっている、人気のあるとコインです。しかしながら開発も停滞しているため。イーサリアムクラシックは取引所上場などの少ない材料で価格が推移しています。2017年6月には0.00931の高値を記録しましたが、その後アルトコインバブルは落ち着き2017年9月には対ビットコイン価格で0.003から0.0004程度で推移しています。
(0.Vitalik Buterinによる構想(2013年))
1.Frontier(フロンティア、公開2015年7月30日)
2.Homestead(ホームステッド、2016年3月15日移行) 開発者のためのプラットフォーム ここまではイーサリアムと同様
2016年7月20日 ハードフォーク ここからがイーサリアムクラシック
3.GasReprice(ガスリプレイス、2016年10月25日)DoSアタックへの対応
4.Die Hard(ダイハード2017年1月14日) デフィカルティボムへの対応
5.Monetary policy change(通貨ポリシーの変更)発行枚数を2億1千枚数制限することを予定しています。
イーサリアム同様、イーサリアムクラシックもネットワーク参加者が「classic ether」(クラシックイーサー)と呼ばれるイーサリアムクラシック内部通貨の報酬を目当てに、採掘と呼ばれるブロックチェーンへのスマート・コントラクトの履行結果の記録を行うことで、その正統性を保証していく仕組みです。そのためイーサリアムクラシックネットワーク維持には採掘(マイニング)が不可欠となります。
イーサリアムクラシックが現在採用しているProof of Work(PoW)とは計算能力に応じて採掘ができる仕組みで、Proof of Stake(PoS)は保有量により採掘ができる仕組みです。イーサリアムクラシックはビットコインと違いProof of Work(PoW)においてEthashというアルゴリズムが使用されており、マイニング専用のハードウェア(ASIC)を作ることを難しくしています。そのためRadeonなどの市販のGPUによるマイニングが盛んです。
イーサリウムクラシックのGPUマイニングの様子(同時にSiacoinも採掘するデュアルマイニング)
安価でありながら高ハッシュレートを得られることで一世を風靡したグラフィックボード Sapphire Nitro+ Radeon RX470
スマートコントラクトのプラットフォームとなりうる物を主なライバルとして上げています。
イーサリアムクラシックの今後はプロジェクトの進捗に注意が必要ですね。